人間の機能性について

            この同じレベルの広がりの中に

何十億もの人がいて 何十億もの心があるのだと考えると、

この広がりの中で、 僕の心は何十億分の一でしかなく。 無力感だ。

僕が一人きりでいる時のこの膨張した 漆黒世界。 まろやかな重みのある 優しげで頼もしい 親密世界。

それと、 何十億分の一の小ささとが結びつかなくて 僕は げっそりする。

誰かさんが機械人間のように僕を 蛍光赤レットゾーンの外へといざないます。

僕は機能しだすでしょう。

バケモノのようなビルやダムも 羽田から福岡へ向かう 飛行機の小窓から見おろすと かわいい スペクタクルです。

そう考えると比喩の効果でちょっぴり 心が納得させられる気がいたします。

ゆるりゆるりと、僕は機能しだすでしょう。 それゆえに。 なにゆえに。

いかんせん、 僕は人間なのでありますから。

   

詩と思想/2001.9』