mfとBOの存在論に関する対話

            mf「私たちの目の前に、生々しく存在しているように見えるこの世界は、いったい、どれくらい本当に存在しているのでしょう?」

BO「哲学の存在論みたいな話? 実感的に言って、全て、それこそ宇宙の果てまで全て本当に存在していると思うけど」

mf「哲学というより脳科学の話です。これまで哲学の分野で語られてきた存在論や認識論は、今後は脳科学の研究成果を引用しない訳にはいかないと思います。脳科学的に言うと、私たちサピエンスの脳内では、ハイビジョン映像の数十倍、数百倍リアルに世界を再現する映像が流されてされているのです。数百万年も昔から。でも、リアルに見えるハイビジョン映像が現実世界とイコールで無いのと同じ意味で、私たちはが見ている世界は、本当に存在している世界そのものではありません。」

BO「なるほど。と言うことは、チンパンジーが見ている世界はサピエンスのものに近いのかな? 猫や犬の見ている世界はどうなんだろう? トンボやミミズが僕たちと違った世界を見ているのは確実だろうね」

mf「いずれにして、現実世界そのものがどうなっているかを知るすべは、私たちにも、他の全ての生物にも無いということです。」

BO「サピエンスだけが本当の世界を知ることができるという思い込みは、僕たちのエゴだということだね。まあ、赤色が、本当は赤色じゃないというのは、ギリギリ想像できるかも。でも、例えば、目で見て球体だと思ったものを、手でさわってみて、やっぱり球体だと感じたとしたら、それって、現物も球体だとしか思えないけどな」

mf「そうですね。現状では、それが球体では無いかもしれないと言ってしまうと、空論扱いされるでしょう。しかし、今後、脳科学の研究が進んで、サピエンスの空間認識の仕組みが解明された時、視覚と触角の共犯関係があばかれる可能性はあると思います。」

BO「そうなんだ。」