テレポーテーション(どこでもドア)

            山の中で岩に座って水を飲もうとしていると、電話がなった。

少し込み入った仕事の話だったので、集中して話した。 その間、周りの景色は見えてなかった。 目や耳や鼻や皮膚からの情報は、脳に拒否されて、破棄されてしまったのだろうか? 電話が終わって、目を下の奥の方に向けると、ぼやけていた。 少したつと、ピントがあって、周りの景色がくっきりしてきた。 それから、川の流れる音や鳥の声がしてきた。 汗がひいて、体が冷たくなっていた。 なんだか、テレポーテーション(どこでもドア)で、仕事場から移動して来たみたいで、面白い感覚だった。 100年前の人からすると、まさにSFかも。 もう一本の電話は、山を降りてからにしよう。 上着をリュックから出して、水を飲んでから、もう少し登ろう。