エッセイ・小論(専門度:中)

『15歳の寺小屋 ひとり』吉本隆明(著)

創作の本質は、この〈転換〉にあるんですよ。どんなに長い小説であろうと、この〈転換〉の連続だと言っていい。つまり〈転換〉をどう描くかが、うまい小説になるかどうかのいちばん肝心なところで、芥川はそれを非常に素朴に忠実に自分の作品の中で使ってい…

「美」とは有用性から切り離された報酬系

美しい風景を見て 幸せな気分になるのは なぜだろう? 脳の報酬系は なぜ ご褒美を くれるのだろう? 青い グラディエーション 水平線 暖かい日差し 少し冷たい風 波の音 菜の花 鳥の鳴き声 光 緑 コーヒー ただの物質 ただの現象の 組み合わせにすぎない こ…

ロボットが「我思う、ゆえに我あり」と主張する

自己意識を持つロボットの研究をしている人がいるようだ。今はまだバクテリアレベルだが、今後2世紀のうちには人間レベルになるだろうと言っている。 それは、ロボットが「我思う、ゆえに我あり」と主張するようになるということだと思う。 リプソン教授:…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (18) 第一発見者だと主張

<strong>私は羊歯の葉に指先を触れたまま、ぎこちなくあせって下半身の衣服を脱いだ。裸の尻が落葉に接するや否や、羊歯と私を結ぶ感覚の流れは、めまいを感じさせるような速さにたかまった。もはや指先を触れているだけでは我慢できなかった。私は上半身の衣服をめ</strong>…

「ぞうさん」のまどさんは、コピーライターのような態度

『まど・みちお詩集(谷川俊太郎編)』の中に、「魚を食べる」というエッセイがある。20代後半に書かれたもので、童謡「ぞうさん」と同じ人とは思えない、知的な論文調の文章だった。こんなふうだ。 「また、同じく焚いた魚の中にも骨離れのいいのとそうで…

『まどさんへの質問』大橋政人(著)のレビュー

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このスマホ無料詩がすごい!⇒「ミドリガメと父親」一条(著)

<a href="http://bungoku.jp/monthly/?name=%88%ea%8f%f0#a07" rel="noopener" target="_blank">「ミドリガメと父親」一条(著)</a> 難解度:小 明るさ:やや明るい 「飼育していたミドリガメを排水溝に誤って流してしまったのは、父親が家を出た翌日だった。」という感じで始まる短い文章で、現実に起こりうる言えば言える内容だが、なぜかSFを読んでいるよ…

このスマホ無料詩がすごい!⇒「椅子」福山てるよ(著)

<a href="https://www.japan-poets-association.com/contribute/%E7%AC%AC%EF%BC%98%E6%9C%9F%EF%BC%882017%E5%B9%B41-3%E6%9C%88%EF%BC%89%E5%85%A5%E9%81%B8%E4%BD%9C%E7%99%BA%E8%A1%A8/" rel="noopener" target="_blank">「椅子」福山てるよ(著)</a> 難解度:中 明るさ:暗い 何かを暗示しているような、何も暗示していないような……。何か起こりそうな、けっきょく何も起こらないような……。平易な言葉で…

『左右の安全』アーサー・ビナード(著)のレビュー

Amazonに、<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4087748820/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4087748820&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=de40a3d240116b8e06abad3027f61cb5">『左右の安全』アーサー・ビナード(著)</a>

このスマホ無料詩がすごい!⇒「JIVE MY REVOLVER」TOKYO No.1 SOUL SET(著)

<a href="https://www.uta-net.com/movie/90920/" rel="noopener" target="_blank">「JIVE MY REVOLVER」TOKYO No.1 SOUL SET(著)</a> 難解度:中 明るさ:暗い 刺さる言葉がたくさん出てくる。 「根本的な新しさはなく 大胆なバリエーションにすぎない」というところなど。 皮肉を言われるとムッとするものだが、鋭い批評性のある言葉で言われる…

このスマホ無料詩がすごい!⇒『雨になる朝』尾形亀之助(著)

<a href="https://www.aozora.gr.jp/cards/000874/files/3396_9729.html" rel="noopener" target="_blank">『雨になる朝』尾形亀之助(著)</a> 難解度:中(古い文章なのでちょっと読みにくい) 明るさ:やや暗い 大正時代の有名な詩人です。 一日じゅう暇そうにしていて、たまに詩を書くくらいしかやることが無いといった感じ。 どうでもいいような日常のことが書かれて…

このスマホ無料詩がすごい!⇒「武士のつかい」佐野権太(著)

<a href="https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=104161&from=osusume.php%3Fosuhid%3D6592" rel="noopener" target="_blank">「武士のつかい」佐野権太(著)</a> 難解度:小 明るさ:とても明るい こういう明るくて、ユーモアのある詩はあまり見つかりません。 こういう詩も、もっと読みたいです。

このスマホ無料詩がすごい!⇒「やまなし」宮沢賢治(著)

<a href="https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/46605_31178.html" rel="noopener" target="_blank">「やまなし」宮沢賢治(著)</a> 難解度…中 明るさ…やや暗い 一般的には童話に分類されますが、詩として読む方がぴったりくるように思います。 小さなカニの子供の視線で、川底の恐くて美しい光景をまのあたりに感じて、ゾクッとします。

このスマホ無料詩がすごい!⇒「ランドスケープ」DFW(著)

<a href="https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=320718&from=osusume.php%3Fosuhid%3D6592" rel="noopener" target="_blank">「ランドスケープ」DFW(著)</a> 難解度…中 明るさ…やや暗い とても知性と美的センスに富んだ詩だと思います。「このスマホ無料詩がすごい!」という題でブログを書こうと思った、きっかけになった詩です。

『電話ボックスに降る雨』北川朱美(著)のレビュー

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『オバマ・グーグル』山田亮太(著)のレビュー

<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4783735212/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4783735212&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=2ea27023865518c945e00d59f7eac9b4">『オバマ・グーグル』山田亮太(著)</a>

『グラフィティ』岡本啓(著)のレビュー

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『ロックンロールは死んだらしいよ』山崎修平(著)のレビュー

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『見えない涙』若松英輔(著)について

『<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4750514985/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4750514985&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=1d77ba9280c25d3dac0b02dc15ddea9e">見えない涙</a>

『絶景ノート』岡本啓(著)について

Amazonで、『<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4783735751/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4783735751&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=8a0cff2b1f1e8c6c65b9d1b7f12718f6">絶景ノート</a>

『響』の新鮮さは、少女漫画と少年漫画の要素が融合されているところから来る

NHKの『100分 de 名著』で『赤毛のアン』が紹介されていて、興味がわいたので読んでみた。話に引き込まれて、一気に読んでしまった。 現代の少女漫画の原型的な要素がたくさん入っていると感じた。 ・主人公の少女は、不幸な家庭環境で育った。 ・そのせ…

 『サピエンス全史』「ベルトコンベアー上の命」について

『サピエンス全史』の中の「ベルトコンベアー上の命」と題された箇所について考えてみたい。 人間が動物や植物の命を大切にする一方で、その命を食べたり生活の道具として利用したりするという矛盾について、誰しも多かれ少なかれ考えたことがあると思う。ペ…

『狸の匣』マーサ・ナカムラ(著)を読んで、物語に終わり方について考える。

<p style="padding-left: 60px;"> どんどん足音をたてて二人に近づき、正面から、父の舌を無理矢理に引きずり出した。そうして、幅一メートルほどの父の舌を、自分の体にぐるぐると巻きつけた。 「お父さんがなめたから、こんなにびしょびしょになっちゃった」 父を背に仁王立ちして、母をに</p>…

本当に出会えて良かったと思える本

読むことが可能な文章の量は、指数関数的に増え続けている。 図書館にいると、それを実感する。 ここにあるすべての本の数万倍、数億倍……の文章がこの世に存在していて、日々ふえ続けている。

『早く家へ帰りたい』高階紀一(著)について

高階紀一さんの『<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4904816080/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4904816080&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=c1f367624e2cc1eec94ba6528637cf2d">早く家へ帰りたい</a>

詩の定義

私は、詩を下記のように定義している。 【他の分類に属さず、「詩」としか呼びようのない、比較的短い文章。】 なので、詩は、あらゆる文章の中で、最もお手軽だと考えている。 日記やメモよりも。 詩は、有用な情報や記録でなくてもよい。 結論が無くてもよ…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (16) 「僕」=作者と思われたくない時

<strong>何もないところに 忽然と立っている ひとりの女とひとりの男 そこからすべては始まる 青空? よろしい青空をあげようと誰かが言う そしてふたりの頭上にびっくりするような青空がひろがる 地平線? よろしい地平線をあげようと誰かが言う そしてふたりの行く</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (15) 冷たい観察

<strong>かたすみに そのおとこは たっている てらてらと あかびかりする ぶかぶかのがいとう そのしたに かさねられた なんまいものしゃつ やぶれて くちをあけた かたちんばのくつ ぼうぼうにのびた かみのけのうえの よごれた とざんぼう てに わけのわからないも</strong>…

幸福感が多いほど子孫をたくさん残せる?  (幸福論と進化論)

人は「幸福感」をより多く感じたいという特性を持っていると思います。 進化論的には、人が「幸福感」という感覚を持っていることは、どのような意味がるのでしょうか? 「幸福感」が少ないほど、子孫を残す可能性が低くなるということは、間違いなさそうで…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (14) 隠喩(いんゆ)のたねを最後に明かす

<strong>そしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた 『魂のいちばんおいしいところ』p.91より 引用させてもらった部分は、表題作「魂のいちばんおいしいところ」の最後のパートです。この最後のパートを読む前までは、この</strong>…